2015年04月24日

MoBの坂道 2章:とりあえず作ってみっか!から始まるゲームデザイン

「各々勝手に『2種類のカードしか使わないゲーム』作ってゲムマで出すのはどうでしょう?」という企画に参加しました。
(企画詳細はこちら→http://twipla.jp/events/137239

 これはその挑戦の過程を記したデザイナーズノートです。

注意:MoBGAMESのデザイナー宮野はゲームデザイナーとしてそんなに有名ではありません。過度な期待はせず、明るい部屋でモニターや液晶から離れて読んでください。
   あと、ある程度のゲーム創作の知識がないと読みにくいかもしれません。その点もご容赦ください。

(「1章:2種類のカードしか使わない。傑作カードゲーム「サメ警報」について」の続きです)

2章:とりあえず作ってみっか!から始まるゲームデザイン


 この企画に参加するにあたって、とりあえず2種類のカードで遊べるゲームを考えられるだけ考えました。
 下記はその時に考えたものですが、半日ほどで5つのゲーム案が出来ました。

1「I am WereWolf! 私は人狼です」
 私は人狼です!と宣言できる人狼風ゲーム。
 多数派と少数派によってどうこうなるギミックを入れようともがいてました。正体隠匿系です。

2「お尻に気をつけろ!」
 全員が共通の場に出したカードの並びによって勝敗をつけるゲーム。
 ノンケカードの後ろにアベカードがくるとお尻を奪われてしまうというゲームでしたが、実際は逆ですね。これも正体隠匿系でした。

3「モノクロンド」
 白と黒のカードをドラフトでまわしてペアを作るゲーム。
 ババ抜きみたいなやつでしたが、各自が白をそろえるか黒をそろえるかが隠匿情報でした。

4「サッサGOGOGO!」
 直線カードとカーブカードの2枚を使ってコースを作りつつ、そのコースの上をおはじきで進むゲーム。
 おはじきを動かすのにカードをほうきのようにサッサと使ってゴーゴーさせる感じを想定してました。
 私にしては珍しいアクションゲームです。

5「マネー&バレット」
 親がマネーカードと拳銃カードのどちらかを伏せる。子供はそのどちらを伏せたのか当てる。
 マネーが伏せてあるときは拳銃を突きつけて、銃が置いてある場合は降参のポーズをとる。ブラフゲーム。

 ここには概要だけ書いていますが、頭の中でゲームが最後まで回るレベルのルールもちゃんと作っています。

 前々から正体隠匿系のゲームが作りたいなと思っており、それが1、2辺りで垣間見えます。
 3辺りでシンプル路線に戻ってみてますが、前作のつづとと(大きなつづらと小さなつづらと)辺りからドラフト要素にハマっているように思えます。
(ドラフト:何枚かのカードの中から恣意的にカードを1枚獲得し、残りを他の人に渡すシステムのことを私は勝手にそう呼んでます。実際はMtGのブースタードラフトが語源の言葉になるのかな)
 そして4でアクションに走りました。過去作の「ハジキュー!!」もそうでしたが、基本的に私は何かをはじいたり飛ばしたりするのが好きみたいです。
 5はいかにもなブラフゲームで、思いついた当時はMoBGAMESとしてはこれが大本命でした。

 ルールが作れたので、次はこれらのゲームがプレイできるテストプレイキットを作りました。
(サッサGOGOGO!はカードのデザインが面倒だったので後回しにした結果、自然消滅状態になってます)
 そして実際にテストプレイしてみた結果、商品化に辿りつけそうなゲームは一つもありませんでした。

 それぞれについて良くない点を挙げていくとキリがないので、共通して言える事を言ってしまうと「2種類のカードじゃなくてもいい」というのが一番の問題でした。
 どれもこれも3種類以上のカードがあった方が良さそうなゲームばかりで、今回の企画においてまったくお話にならないものでした。
 これは実際に作ってみて思ったのですが、特に私が作る場合に顕著に起こる事として、3種類のカードを使うゲームと2種類のカードを使うゲームとの間には、大きな隔たりがあるのです。

 それが「二択」と「三択」という話です。

 難しい確率の話は苦手なので、簡単な例で示します。
 AというカードとBというカードがあります。裏面からはどちらがABかは判別できません。
 そのどちらかをあなたの前に裏向きで置きます。

 さて、このカードはAでしょうか。Bでしょうか。ちょっと考えてみて、答えを用意してください。

 次に、AというカードとBというカードとCというカードがあります。裏面からはどれがABCかは判別できません。そのどれかをあなたの前に裏向きで置きます。

 さて、このカードはA、B、Cのどれでしょうか。これも考えてみて答えを用意してください。

 正解を発表します。
(この下に正解があります。文字色を白にしているので、がんばって炙り出してください)

 最初の問いの正解はAです。

 いかがでしょうか。当たりましたか?

 次の問いの正解はCです。

 いかがでしょうか。当たりましたか?

 先ほどの問題を考えてもらった上で、最初の2択と次の3択について、私が感じる事を述べます。

2択を当てた:当ててもそこまでは嬉しくありません。所詮はどちらかなのです。
2択を外した:微妙にいやな気持ちになります。当てやすいはずのものを外してしまった。

3択を当てた:少し嬉しいです。3つから1つを当てるのはそこそこ難しいはずです。
3択を外した:若干諦めのような気持ちを感じます。難しいからこそ外しても仕方がない。

 つまり、2択をメインに据えたゲームは3択より楽しさを感じにくいということなのです。

 私の論は主観に寄りすぎているし、もしかするともっと適切な論理があるのかもしれません。
 ですが、私が2種類カードゲームを作り、何度もテストをした結果として、その結論にたどり着きました。

 話はテストプレイが散々だったというくだりまで戻ります。
 先ほども述べたとおり、2択を当てるゲームはあまり面白くありません。ですが、宮野は基本的に「伏せられたカードの中身を考えるゲーム」しか作れません。
 故にこのお題目は、私にとって鬼門とでも言えるような、非常に相性の悪いものだったのです。

 それに気づいた時点で「2種類カードゲーム」は諦めてしまえばよかったのかもしれません。
 結論に至った時点では、まだマシだと思える2作品にまで試作をしぼっていましたが、どちらもいまいち面白くありませんでした。その時に調整していたのは「Pair×Bear(ペア×ベア)」の原型となった「クマ×クマ嵐(これ自体もモノクロンドからの派生)」と「ローリングゾンビーズ」です。
 ローリングゾンビーズは発想が面白く、非常に良い物になりそうだったのですが、「2種類カードで作ると微妙」という点で没になりました。これはこれでまた作り直したいと思っています。
 そして最終的に残ったのが「Pair×Bear LOVE STORM(クマ×クマ嵐からの派生)」でした。

→「3章:つまらない2択を面白くするいくつかの方法について」へ

 MoBGAMESの新作2種カードゲーム「Pair×Bear(ペアベア)」はGM2015春にて販売予定。
 紹介記事はこちら→http://u111u.info/ki8G
 ゲームマーケット当日予約はこちらから→http://t.co/TVjzRxVCSA
posted by 宮野 at 16:35| Comment(0) | ゲーム製作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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