2015年04月24日

MoBの坂道 3章:つまらない2択を面白くするいくつかの方法について

「各々勝手に『2種類のカードしか使わないゲーム』作ってゲムマで出すのはどうでしょう?」という企画に参加しました。
(企画詳細はこちら→http://twipla.jp/events/137239

 これはその挑戦の過程を記したデザイナーズノートです。

注意:MoBGAMESのデザイナー宮野はゲームデザイナーとしてそんなに有名ではありません。過度な期待はせず、明るい部屋でモニターや液晶から離れて読んでください。
   あと、ある程度のゲーム創作の知識がないと読みにくいかもしれません。その点もご容赦ください。

(「2章:とりあえず作ってみっか!から始まるゲームデザイン」の続きです)

3章:つまらない2択を面白くするいくつかの方法について

「ペア×ベア LOVE STORM」というちょっとイタいタイトル。
 当時の私がいかに追い詰められていたのかが感じられますね。

 とりあえず作るゲームを一本に絞った段階で、いつもお世話になっているわとさんにイラストをお願いしました。
 この時点で、すでに4月7日でした。一ヶ月をもうすでに切っているという、とんだスケジュールで動いていたのだなと今更ながら驚かされます。無茶なお願いを聞いてくれたわとさんには本当に感謝が絶えません。
 そしてイラストを発注したということは、テーマをもう変えられないということです。
 新たな制約が生まれた事に少し後で気づいたのですが、どの道そのタイミングで頼んでいなければ間に合わない状況だったので、間違ってはいなかったと思われます。(製作を進めたことが間違いだったかどうか謎ですが)

 そんな素敵な状況下ですが、ペア×ベアは一向に面白くなりません。
 この時期は行く先々でテストをして、改良して、テストをしていたのですが、まったく良くなりませんでした。
 ここら辺から、何か正直めんどくさくなってきたので、自分のゲームの「ここがややこしいなー」と思うところを全部とっぱらいました。
 ここで「集めないといけないクマの色(秘密の目的)」とか「カードの表裏が同じ色のクマになっているか、違う色のクマになっているか(カードを裏返すと色が変わるかもしれない仕組み。それによる確率変動を利用して2択問題からの脱出を試みていた)」とか「カードドラフト」とかがバッサリ消えました。

 そしてテストプレイの最中にいただいたシステム案(スタートプレイヤーが山札から1枚めくって始める)を1つ拾ってきて、それを軸にゲームを再構築したところ、ちょっと面白くなり始めました。
 今思うとこの時に捨てたシステムは「2種類カードゲーム」というテーマから発生していたものだったのかもしれません。必要なのはあくまでも「ペア×ベア」というゲームを作るためのものですから。

 ここで希望の光が見えてきたので、熱心にテストと改良を繰り返していきます。
 この時点ではまだクソゲーだったのですが、とあるルールを採用してから劇的に面白くなりました。
 それが「2択を面白くする方法」です。

 ペア×ベアは山札からカードを1枚表向きで場に置き、そこに自分の手札からカードを追加するか、場のカードに対して「承認チャレンジ」をするかの2択を楽しむゲームです。この2択は行動の選択なので前述していた「2択」とは異なります。
 2択は「承認チャレンジ」のほうで、このチャレンジはみんなが伏せていったカードの中で、同色ペアが作れると思った場合、その色を指定して当てるというものでした。なので2枚で当てるのは難しく、3枚ならば必ずどちらかが当たるといった具合です。
 ここに私が採用したルールは「指定した色で余りが出た場合は失敗とする」でした。つまり指定した色が偶数枚ならば成功。奇数枚ならば失敗するというものです。
 こうする事によって場札が3枚ならば必ず2択になるはずだった問題に「必ず失敗する組み合わせ」という第三の可能性が出てきたのです。
 これによって承認チャレンジの成功率が3択と同じくらいに下がり、当てたときの達成感が生まれました。そして承認チャレンジの失敗が起こりやすくなった所を補うため、失敗のペナルティを小さなものに変え、そこでまたぐんと良くなりました。
 最終的には承認を成功させれば宣言した色の2枚以上のカードが手に入り、承認を失敗すると自分以外のプレイヤーが好きな1枚のカードを手に入れるというゲームになり、非常にキレイにまとまりました。

 そしてこのゲーム最大の特徴である点数システムによって、これまでのシステム全てが収束します。
 ゲーム終了時、異なる色のカード1組につき1点になるようにしました。これにより、承認で同色2枚カードを手に入れるのと、承認を失敗させて好きな色のカードを1枚獲得できるという2択が良い感じのバランスになったのです。
 承認チャレンジはあくまでも色を指定しなくてはならず、そうなると指定する色はおのずと欲しい色になってきます。白を2枚持っているプレイヤーは、黒の承認がしたくなります。それにつけこんで前の手番プレイヤーたちは黒の承認が外れるように仕組んでくる……なんて駆け引きも入ったりするわけです。

 最終的に「Pair×Bear」はキレイにまとまったシンプルなブラフゲームとして完成しました。
 その完成のきっかけとなったのはやはり「2択じゃない2択」という「2択を面白くする方法」だったと思います。

→「4章:2種類カードゲームを越えた先にあるもの」へ

 MoBGAMESの新作2種カードゲーム「Pair×Bear(ペアベア)」はGM2015春にて販売予定。
 紹介記事はこちら→http://u111u.info/ki8G
 ゲームマーケット当日予約はこちらから→http://t.co/TVjzRxVCSA
posted by 宮野 at 16:38| Comment(0) | ゲーム製作日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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