(企画詳細はこちら→http://twipla.jp/events/137239)
これはその挑戦の過程を記したデザイナーズノートです。
注意:MoBGAMESのデザイナー宮野はゲームデザイナーとしてそんなに有名ではありません。過度な期待はせず、明るい部屋でモニターや液晶から離れて読んでください。
あと、ある程度のゲーム創作の知識がないと読みにくいかもしれません。その点もご容赦ください。
(「3章:つまらない2択を面白くするいくつかの方法について」の続きです)
4章:2種類カードゲームを越えた先にあるもの
今回、2種類カードのゲームを作ってみて色々わかった事があります。
例えば「ごきぶりポーカー」というゲームがありますが、あれも「ウソをついているorついていない」の二択でシステムが組まれています。(「カードを見た上で他人に回す」という選択肢もありますが、それはひとまず置いておいて)
そして、それだけだとやはり面白くありません。ごきぶりポーカーの最初の出だしは、少し冗長だと私は思います。
ただ、そんなごきぶりポーカーにおいても「二択を面白くする方法」というのは存在していて、例えばゲームが進むにつれて脱落条件に対する恐怖が発生したり、場に出てきているカードのカウンティングが出来るようになっていったり、などがあるかと思います。
そんな風に「2択」に対して考える目線は、これから先も持ち続けられる事でしょう。
ただ、「ごきぶりポーカー」のゲームデザインについては「カードの内容にウソをつく、あるいはつかないでカードを人に差し出す」という体験が一番の見所なので、それ以外の点はあえてシンプルにしている、というのもあるんじゃないかと思います。槍玉に挙げましたが、あれは良く出来ているゲームだと思っておりますよ。
他にも2種類カードゲームから学んだことは色々あります。
・2種類のカードの表裏を使うと3種類目のカードが作れる。
→表・裏、A・A、B・B、A・Bの3種類が作れる。
・AとBのカードを1枚ずつ持った3人がドラフトをした場合、同じ色のペアが作れるのは2人か0になる。
→AB→AB→ABは、AA、BB、ABになるか、AB、AB、ABにしかならない。
・2種類カードを横に並べた場合、いくつかの決まったパターンが発生するため、それを役と見ることができる。
→4枚だとAABB、BBAA、ABAB、BABA、ABBA、BAABの6種類ができる。
・直線カードとカーブカードの2種類だけでもカードをつなげて楕円(サーキット)を作ることが可能。
上に書いたようなことは、実際に2種類カードゲームを作ってみなければ、私が特に考えもしなかった事だと思います。
更にその上で一番大きな学びはこれだったように思います。
・「2種類のカードしか使わないのに面白いゲーム」は作ることが可能!
これが今回の挑戦で学んだ1番大きな事かなと思います。
私は前説で語った「サメ警報」のような2種類カードゲームなんて作れるわけがないと思っていました。
あの面白さは私が保証しているし、誰よりも私が良いものだと認めている。
そんな自分が日ごろから「凄い」とか「これはすばらしい」と思っているものに対して近づく事ができる。
憧れによる感化や模倣から始まり、最終的にはオリジナルに近い所まで辿り付く事が出来る。
今回の「各々勝手に『2種類のカードしか使わないゲーム』作ってゲムマで出すのはどうでしょう?」という企画に挑戦した私の一番の経験は「『2種類のカードしか使わないゲーム』作ってゲムマで出す」のを達成できた事だと思います。
最後に、この挑戦を達成できた同志たちに、心からの祝福とねぎらいを。
そしてこのデザイナーズノートを読んで、自身もまた何かに挑戦したいと思えた方々には、力いっぱいの声援を。
皆さんに良き挑戦の機会がありますように。
新たな挑戦に思いを馳せつつ……おわり。
MoBGAMESの新作2種カードゲーム「Pair×Bear(ペアベア)」はGM2015春にて販売予定。
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